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織り込み済み

おりこみずみ

 織り込み済みとは、計画や進行中の事業に、将来発生する出来事の要素がすでに組み込まれている状態を言い、「リスクは織り込み済みだから計画の変更はない」などと用いる。本来は取引相場で、今後発生する好悪の要素がすでに現在の取引に組み込まれている状態を言い、「首相の交代はすでに株価に織り込み済みだ」などと、首相が交代した時点で株価にあまり変動が生じない状況を説明するのに使われる。首相の交代後、公約と真反対のことを言い出したりすると、株価はびっくりして暴落する。

「織り込む」は本来、布地に金糸や銀糸などを混ぜるという意味で、そこから、ひとつの物事に他の要素を組み込むという使い方が派生し、「彼の思想には彼自身の体験が織り込まれている」などと使う。布地に糸を織り込むということから、その組み込まれ方は、布地の組織に一体化するくらいしっかり定着しているというイメージで語られる。われわれは「おりこむ」と聞くと、どうしても新聞の折り込み広告を想像してしまいがちだが(そうでもないっすか?)、新聞を開けば落ちてしまう「折り込み済み」では、その軽薄さはいかんともしがたく、「リスクはおりこみ済みだから計画の変更はない」などとしたり顔で語っている人物の、チャラさ加減も浮き彫りにされようというものである。

 (KAGAMI & Co.)

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