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つう

 通(つう)とは、ある地点からある地点まで道がつながっているという意味の「通ずる(通じる)」の名詞形で、道が通じるように他人とのコミュニケーションがスムーズに行えること、行える人のことを言い、ひいては、そのようなコミュニケーションを通して世間の情報をよく知っていること、さらに、ある特定の事柄についてよく知っていること、特に遊郭や色街に詳しいこと、またそのような人(人を指す場合は「通人(つうじん)」とも言う)を指す江戸時代の価値概念である。つまり現代のマニアやオタク、オーソリティやエキスパートなどと似たような意味だが、マニアやオタクよりは人々の尊敬を集め、オーソリティやエキスパートのように世の中の役に立つような知識はまったく持ち合わせていない人々が「通」または「通人」である。

 現代でも「通」は、「事情通」「ロシア通」のように、ある方面の情報に詳しい人という意でニュース解説などでも用いられるが、当初の意味が意味だけに、「情報通はそう言ってるけど、たいして役に立たないと思うから、あんまりあてにせずに聞いてね」というニュアンスのこもった言葉であるように感じられる。

​©校長のかがみ

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