眺める

ながめる

 眺めるは、現在では主に景色などを遠くから見渡すという意味だが、もとは人やものを長い間じっと見つめることを言った。それもそのはずで、「眺め」の語源は「長目」……といっても、昔の西洋の漫画家が描いた東洋人のように横に長い目を言っているわけではなく、「目」は見ること。長時間見ることから「ながめ」となった。

 現代の感覚では、近くにいる人を長い間じっと見るのは、よほど親しい間柄か(よほど親しい間柄でもちょっと気持ち悪いし、長い間見ていられるほどの相手もそうはいないが)、けんかを売っているか、ストーカーか、である。後2者はつまり、相手にガンを飛ばしている状況であり、ぶんなぐられないためにも「長目る」対象は遠くにあったほうがいい。

 また、「もの」を見つめる場合も、本を読んでいるとか、研究でカビかなにかを顕微鏡で見ているというように、なにかはっきり目的がある場合は「読書する」「研究する」とそれぞれの目的にそった言い方があり、目的もなくただ「長い間見る」のはその対象にあまり関心がなく、他のことを考えながらぼんやり見ている状態であり、実際、「眺める」はそのようなものの見方について言い表す言葉である。

 以上のことから、「眺める=長い間見る」は、対象を見ていても、その対象を深く観察する意図はなく、ただ呆然と見ていたり、何か他のことを考えながら見ていたりする場合に用いられる言葉であるといえる。

(KAGAMI & Co.)

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