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昆布、コンブ

こんぶ

 昆布(コンブ)は、コンブ目コンブ科の海藻の一種。食べてあまりうまくない海藻なので(個人の感想です)海外では見向きもされず(てか、海藻全体の評判があまりよろしくないようで)、ヨーロッパのどこかの国では畑の肥料として扱われている素材だが(どうせイギリスあたりだろう)、日本では出汁の素となる貴重な食材であり、カツオブシとともに二大巨頭として君臨している。

 昆布は出汁の素材として最も優れていて、カツオブシよりうまみが強い。実際、和食の出汁は昆布だけでとっても十分いけるが、カツオブシだけだと、しょう油などでコテコテ味付けしないとちょっとものたりない(個人の感想です)。とはいえ、和食では通常、昆布とカツオブシの合わせだしが使われているように、昆布とカツオブシを合わせると、相乗効果によりうまみが飛躍的に増大することが科学的に証明されていて、両者のくされ縁は解消されそうもない。

 前述のようにコンブは世界中でとれ、一方和食は世界に広まっているくらいだから、世界でコンブの収穫合戦が始まっていそうだが、どうもそんな様子はない。その大きな理由として、北海道周辺でとれる昆布でないとよい和食の出汁がとれないというウソみたいな事実があげられる。北海道の気候や海温、海流が出汁用の昆布に最適で、実際日本でも、高級出汁のもととなる昆布は北海道と東北の一部でとれるものに限られる。そう考えると、地球の気候変動は大問題であり、人類は総力を挙げてこの問題に取り組まなければならない(コンブのためかい!)。

 「昆布」は漢語だが、古く日本では「昆布」と書いて「ヒロメ(幅広い海藻)」とか「エビスメ(北海道の海藻)」と読まれていた。11世紀頃には、「昆布」は「こんぶ」と呼ばれるようになったが、なぜそうなったかはよくわからない(漢語のほうがカッコいいと思ったか?)。中国では、食用のコンブは「海帯」と呼ばれ、「昆布」は中薬(漢方薬)に使われるものをいう。「昆」という字は、昆虫の形から来ているらしく(確かにそんなふうに見える)、古くは「(小虫が)群れ集まっている」というような意味があったそうだが、現代中国では「兄」とか「子孫」を意味する(なんで虫なんだか…。「子孫」なら小虫みたいにごっそり生まれたら縁起がいいと中国人は考えるかもしれないが)。「昆布」については、群れ集まってぞわぞわ揺れている海藻だからそう名付けられたのであろう(「昆」には「広い」という意味があり、だから「ヒロメ」と呼ばれていたのだとする説もあるが、漢和辞典には「広い」という説明は見られない)。

 (KAGAMI & Co.)

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