擬宝珠

ぎぼし

 擬宝珠(ぎぼし)とは、欄干などの柱の頂部につけるネギボウズ型の金属製の飾り。「ぎぼうしゅ」が訛った言葉で、宝珠(ほうじゅ)の似せもの(=擬)という意味。宝珠(ほうじゅ)は、寺院の屋根の頂部に付ける飾りで、北の丸公園の日本武道館のものがよく知られている。本来は「如意宝珠(にょいほうじゅ)」という仏教の宝物をいい、すべての物事を思い通り(=如意)にかなえてくれる宝の玉(=宝珠)という意味。吉祥天の仏像は掌にこの如意宝珠を乗せた姿で表現される。寺院の屋根の宝珠は、この如意宝珠を象徴的にあらわしたものと考えられる(ホンモノはあんなに大きいわけがないし、寺院のそれはハリボテだしね)。橋の欄干などに見られる擬宝珠は、さらにそれを模したもので、殊勝にも自らニセモノ(擬)を名乗っているように、われわれにご利益をもたらすつもりはさらさらなく、「橋が落ちませんように」と自分の身の安全のことしか考えていないように思われる(それで十分ですが)。(KAGAMI & Co.)