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この辞典の使い方(ホーム)「こ」で始まる言葉>業を煮やすの意味

カテゴリー:慣用句

カテゴリー:感覚、感情、精神状態

 

業を煮やす

ごうをにやす

 業を煮やすとは、強くいらだつという意味。「ドジばかり踏んでいる子分に業を煮やした親分は彼らを始末した」のように使う。つまり、キレてなにかしでかす寸前の心理状態を例えた言い方。

「業」は、腹を立てることを意味する「業腹(ごうはら)」の略。「煮やす」は「煮える」の古形「煮ゆ」の使役形。ここは「煮る」の使役形「煮させる」でもよさそうな気がするが、「煮る」は料理人などが鍋でゆでたまごかなにかをゆでている状態をいい、「煮える」はその鍋の中の水またはたまごそのものがゆでられる状態である。「業を煮やし」ている「親分」を鍋に見立てれば、きっかけは料理人である「子分」のドジかもしれないが、むしろそれを端緒に鍋そのものが怒りを募らせて「煮やし」ているわけで、この言い方は状況を正確に表しているといえる(なんだかよくわからない例えでしたが)。このように「業を煮やす」は、腹を立てるといっても、怒って怒鳴りつけるような発散型ではなく、煮物がぐつぐつ煮立つような抑圧型の怒りを表現しているわけで、完全に煮立って鍋が吹きこぼれたとき、「親分は子分を始末する」のである。(VP KAGAMI)

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