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あどけない

あどけない

 あどけないとは、無邪気で可愛いという意味。幼児のかわいさを表現した言葉であり、表情や仕草について多く言う。幼児の未熟さを含めてかわいいと感じているため、例えば大人の「あどけない表情」は、ただのバカっぽい顔つきにすぎないので、大人に対して用いられることはあまりない。

 「あどけない」は、「あどなし(無邪気である)」や「いとけなし(幼い)」が結びついて、近世から使われるようになった言葉だという。元になった「あどなし」の「あど」は語源をたどれない言葉。「なし」は「無し」ではなく、「おとなし(大人っぽい、おとなしい)」や「切ない(非常につらい)」のように、ある状態を強調する接尾語。「あどなし」は古くは幼児ばかりでなく、大人に対しても「幼稚っぽい」の意味で用いられていたようだが、現代では「幼稚な大人」という使い方があって、未熟でバカっぽい大人というばかにした言い方になるが、前述のように「あどけない」は大人に対しては用いられず、子どもをかわいがる言葉に留まっているのは幸いであった(なにが幸いなんだか)。

​(VP KAGAMI)

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