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いい面の皮、いいツラの皮

いいつらのかわ

 いい面の皮とは、とんだ恥さらし、といった意味。「ここまで育ててやったのに、不祥事を起こして尻ぬぐいさせられるとはいいツラの皮だ」のように、不利益や迷惑を被った者が自嘲的に使ったり、不利益や迷惑を被った他者を冷笑して使う。「いい」は「良い」、「面の皮」は顔の表皮という意味なので、字義通りに解釈すると、お肌のきれいなお姉さんのことかと勘違いしそうだが違う。

「良い」は、「よい」と読むと、「よい子」「よい加減」のように、良質であったり良好であったりすることを素直に称賛する意味になるが、「いい」と読むと「いい子」「いい加減」のように、皮肉な意味合いが含まれてくる場合がある(「よい車」「いい車」のように意味合いが変わらない場合もある)。さらに「いい迷惑」のように、逆説的な意味で使われることもある。例えば、「いい人」は善良な人、性格のよい人という意味だが、その善人さで損ばかりしているぞという他者の皮肉な視線が含まれている。同様に「いい面の皮」も、ニコニコと悩みのない顔をしているが、周囲からバカにされているぞというご当人のありようを皮肉る言い方となっている。(VP KAGAMI)

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