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どぎつい

どぎつい

 どぎついとは、刺激が強い、程度がはなはだしいという意味だが、その強さや激しさに対する否定的な気持ちを表現している。つまり、「激しすぎてどんびきだよ」という気分である。「どぎつい写真」といえば、オヤジが食いつく以外、大多数の人がどんびきする写真であり、「どぎついメイク」といえば、そんなオヤジさえどんびきするメイクだといえる。

「どぎつい」の「ど」は、「ど派手」や「どえらい」などの「ど」とともに、筆者は「度」つまり「程度」の「ど」かと思っていた。しかし、「きつい」「派手な」「えらい」のように形容詞的な表現に使われる「ど」ならわかるが、「ど根性」「ど田舎」「ど真ん中」のように名詞の接頭語に付く「ど」は説明が難しい。それに「ど」の以前の形は「どう」だったという一般の辞書の説明もあり、それだとますます「度」からは離れる。だからといって、「どう」の語源を説明する辞書は見当たらず。

 そこで私見だが、この「ど」は、勢いよく攻めたり進んだりする様子を表す「どどっ」や「どんどん」といった擬態語が接頭語化したものではないかと筆者は考える。つまり、「どぎつい」は「どどっと勢いよくきつい」であり、「ど根性」は「どんどんイケイケの根性」ということになり、これなら意味のうえからも説明がつくのではないかと思う。

​(VP KAGAMI)

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