茸、菌、キノコ

きのこ

 茸(キノコ)とは、樹木や腐葉土に生える大型の菌類。日本語の「きのこ」は「木の子ども」という意味だが、彼らは木と血縁関係もなく、そもそも別種の生き物なので、せいぜい「木の虫」が妥当ではなかろうか。ところが、マツタケやシメジなどは樹木の根に侵入し、菌根と呼ばれる共同体を作って生活しているので、彼らは「木の養子」「木のエイリアン」くらいに言われてもよさそうである。

 「きのこ」は、比較的新しい呼び名のようで、古くは「たけ」と呼ばれていた。きのこの名前の多くが、マツタケ、シイタケ、マイタケのように呼ばれているのはその名残ともいえる。「たけ」は「竹」と同じように「高(たか)」や「丈(たけ)」と同根で、垂直方向への長さや伸びを表し、キノコがあっという間に成長することからそう呼ばれたようだ。しかし、高さにおいては「竹」にかなうべくもなく、まぎらわしいので、かわいげがあって取って食べてしまいたいような名前の「きのこ」(「きのこの山」という、きのこを使ってもいないお菓子があるように)に、しだいに取って代わられたようである。平安末期頃に成立した『類聚名義抄』には「菌」の呼び名として「たけ」「くさびら」が当てられているが、室町時代後期の小辞典『節用集 饅頭屋本』には、「菌(きのこ)」「菌(くさびら)」という項目があるが、「菌(たけ)」はなく、このころには「きのこ」が一般化していたものとみえる。(KAGAMI & Co.)

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