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大車輪

だいしゃりん

 大車輪とは、文字通り大きな車輪のことだが、共同で行う仕事などで必死で奮闘することを言い、「彼は会社発展のために大車輪の働きをした」などと使う。「車輪」は人やものを乗せて運ぶ輸送機器の一部品であるから、「会社発展」といった大きな責任を背負って、つまり「お荷物を背負って(「大」車輪で支えなければならないのだから、他のやつらはよほど働きが悪い大荷物なのだ)」一人で奮闘する姿が想像される(一輪車ってことはないから、もう一人くらいは協力者がいたかもしれない)。ただ「大車輪」の「車輪」は、荷物を背負って運ぶという機能より、勢いよく回転するその動きにより注目している印象があり、彼が「会社発展のために大車輪の働きをした」と言っても、他の社員がただのお荷物だったとは断定できす(お荷物だったに決まってるが)、彼のがむしゃらな働きの方にスポットライトが当てられる。

「大車輪」と似た言葉に「八面六臂」があり、同様に「今回のプロジェクトで彼は八面六臂の活躍を見せた」などと使う。両者を比較すると、「八面六臂」はその人物の有能さが強調され、「大車輪」は必死こいて頑張る姿(ときには空回りしながら)を表していると考えられる。

「車輪」という言葉は、江戸時代、歌舞伎役者が舞台で一生懸命演技する姿を言うのに使われていた。それに「大」を付けた「大車輪」も明治初期の文献には表れているが、ひとつの言葉としては未熟だったと見えて、『大言海』には掲載されていない。

 また、体操競技で体を伸ばしたまま回転する鉄棒の技を日本語で「大車輪」と言う。英語ではgiant swingだが、日本でジャイアントスイングと言うと、ジャイアント馬場の必殺技(必殺技というほどでもないが)になってしまう(確かそうだよね、プロレスファン教えて)ので要注意。体操の大車輪は、しろうとから見ればとてつもない神業だが、鉄棒競技では基本中の基本で、そんなのができたくらいでは高校の体操クラブの代表選手にもなれそうにない。

(KAGAMI & Co.)

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