駅弁

えきべん

 駅弁とは、「駅売り弁当」の略かと思われるが、鉄道の駅で販売され、主に電車の中で食べる弁当のことをいう。移動のために長時間列車に乗りつづけなければならなかった時代に開発され発達したが、しだいに「車中で弁当を食べる」という行為そのものが旅行の楽しみのひとつとなった。鉄道が高速化した現代でも駅弁はますます隆盛しており、駅弁を食べるためにわざわざ速度の遅い鉄道を利用する者もあるほか、駅弁を駅やデパートなどで買って来て家や会社で食べるというわけのわからない人も多い。

「弁当」というランチのスタイルは、“bento”という言葉とともに、すでに世界的に認知されているが、それにともなって「ekiben」も広まりつつある。2015年、JR東日本がパリの鉄道駅で駅弁の販売を始めたと聞くが、台湾の鉄道では、以前から駅売りの「鐵路便當」が、いまでは日本でもめずらしくなった立ち売りのスタイルで販売され、発車ベルに追い立てられながらつり銭をやりとりするという懐かしい光景が見られる。

 狭い電車の中でみんなで揃ってちまちました駅弁を食べるというのは、見ようによっては、貧乏ったらしい楽しみのようにも思えるが、しかしそれも、決して楽ではなかった「昔ながらの旅」を演出する装置だともいえる。また逆に、日本の列車から食堂車がほとんど消えた現状を見ると、どこでもいただけるレストランの食事を車内でとるより、地方の名産を使って工夫をこらした駅弁を食べるほうがよほどぜいたくだと日本人は考えているのかもしれない。そんなekibenが世界に広まるのは、われわれとしても望むところである。(KAGAMI & Co.)

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