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厭世主義

えんせいしゅぎ

 厭世主義とは、ペシミズムの訳語で、世の中を悲観的に見る考え方をいう。哲学では、われわれの生きる世界は不合理であり、目的や意味がないとするショーペンハウアーの説が代表的(と、一般的には説明される)。pessimismは、ラテン語でworstつまり「最悪!」を意味する言葉から出ており、訳語としては「悲観主義」あたりが適当で、「厭世主義」は、世の中悪くなる一方だから出家してしまえとか、死んだほうがましだといったニュアンスの強い「危険思想度」の高い訳語である。実際、ショーペンハウアーの「厭世主義」に影響されて自殺した日本人が少なからずいるが、ショーペンハウアー自身は自殺するヤツはバカだと言っているので、このような人々は彼の著作をジャケ買いしてたいして読んでないのかもしれない。

「厭」という漢字は、嫌う、いやがるという意味だが、猒は犬の肩の肉を表し、館を表す「厂」の中で犬をいけにえとする儀式が行われ、神が満足しているありさまを表しているのだそうだ(異説もあり)。神様が満足しているのになぜ「嫌う、いやがる」という意味になったのかはよくわからないが、動物愛護団体の人々は間違いなくそんな気持ちであろうし、少なくともいけにえにされる犬はぜったいに「厭」である。(KAGAMI & Co.)

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