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声を大にする、声を大にして

こえをだいにする、こえをだいにして

 声を大にする(声を大にして)とは、強い口調で断固主張する(強い口調で断固として)という意味。すなおに読めば「声量を増す(声を大きくする)」ということ。「私は声を大にして言いたい」と街頭演説で候補者が叫んでいるが、こちらとしては「うるさい!」のひとことである。  類似の言葉に「声高(こわだか)」があり、「候補者は減税を声高に主張した」などと用い、意味はほぼ同じ。しかしニュアンスは異なる。私見では、「声を大にする」の「大」には、視覚的な大小のイメージが多分に含まれていると思う。つまり、声量はもとより、その人の主張の強さの大小(いわば、文章にしたときのその文字の大きさ)が含まれているのである。一方、「声高」は直訳すれば声が高音であるという意味だが、「声が高い」の項目で説明したように、高音は大きな音に感覚的に結びつく。一方、声の高低は視覚的イメージに表しにくいので、「声高」は単純に声が大きいというニュアンスでとらえられやすく、聞いている方からすれば「もっとうるさくなる」というだけのことである。この点を考慮して2つの例文を見ると、「声を大にする」のほうは「私は声を大にして言いたい」のように自分の主張を押し通したい場合に、「声高」は「候補者は減税を声高に主張した」のように、演説を聴いている人の客観的な感想として(「青筋立ててさけんでるな〜」みたいな)語られることが多いといえよう。(VP KAGAMI)

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