鰯の頭も信心から

いわしのあたまもしんじんから

 鰯の頭も信心からとは、ヒイラギの枝に鰯の頭を刺したものを家の入口に飾る節分の風習を皮肉ったことわざで、鰯の頭のような怪しげでとるにたらないものでも、信仰心があれば尊くも感じられるという意味。民間信仰や新興宗教の神々は、第三者から見ればどれもこれも「鰯の頭」に見える。「鰯の頭も信心から」は、そんなものでも一途に信仰すれば何かいいことがあると言いたいのか、そんなものを信仰するのはバカみたいだからやめなさいと言いたいのかわからないが、結論がないまま投げ出しているのでどちらとも解釈できるのが、この種のことわざのずるがしこいところであろう。

 なぜ、節分に鰯の頭とヒイラギを飾るのかというと、疫病の神(鬼)がヒイラギの葉のトゲに刺さり、鰯の悪臭に驚いて逃げて行くと考えられていたからだというマユツバものの解釈がなされている。しかしまあ、同じ節分の日に行われる、マメをまくと鬼が逃げて福の神が訪れ、太巻き寿司をよい方角にむかって黙って一本食べるなどという風習とどっこいどっこいの怪しげさだと言えなくもない。陰陽五行説や易学の日本社会への影響の研究で知られる吉野裕子氏は、鰯の頭とヒイラギには、陰陽五行説にもとづいた意味があるとしており、その著には、ヒイラギのトゲに鬼が刺さるなどという解釈(どんなヤワな鬼なんだか)よりよほど説得力のある説が展開されている。(KAGAMI & Co.)

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