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戦、軍、いくさ

いくさ

 戦または軍(いくさ)とは、戦争、合戦のこと。「お父様は遠い国のいくさに赴かれました」のように太平洋戦争頃までは普通に使われていたが、近年日本はこれといった戦争や内戦もしていないので、時代劇などでときどき耳にする程度である。もっともいま使われていたとしても、あまりに古風な響きの言葉なので、戦争には勝てそうもない。

「いくさ」はもとは矢を射ることを言った。「いく」は矢を射るという意味の「いくう(いくふ)」からとも、「生きる」の「生く」ともいわれ、「さ」は「矢(箭)」の古称ではないかとされている。「いく」が前者の意味なら「矢を射ること」そのものであり、後者なら「勢いのある矢」といったような意味になるだろう。矢を射ること、矢を射る技術などをいった「いくさ」が、矢を射る人、武人、軍隊、戦い、合戦へと意味を広げたのが、その後の「いくさ」だといえる。語源から考えても、やはり近年の戦争では勝てそうもない言い方である。(VP KAGAMI)

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