景色

けしき

 景色とは、目で見る比較的大きな開放された空間のこと。ながめ、風景。陶磁器の世界では、茶陶などの見どころとなる図柄や模様、特に、焼成の過程で灰がかかったりうわぐすりが変化するなどして偶然現れた模様のことを言う。つまり、制作者が予想できなかった結果で、悪く言えば失敗だが、いいように解釈すれば、人智を超えた自然の作用が作り出した美観であり(それを美しいと見るか、ただの汚れと見るかという問題はさておき)、だからこそそれを「景色」とひねくれものの茶人は言うのである。

 風景を意味する「景色」は中国語にもある表現だが、日本では「気色」という語が長らく用いられていた。これは精神的なもの(=気)が目に見える変化として現れた状態(=色)を言い、本来は人の「顔色」や「機嫌」を意味し、いまでも「気色ばむ」「気色立つ」といった語に表されている。「気色」は、人ばかりでなく、ものごとの変化の現れである「きざし」の意味で、さらに単なる自然のながめである「風景」の意味としても用いられた。「風景」の意味の「けしき」は、「景色」の読み「けいしき」または「けいしょく」が略されたものだとする説もあるが、「景色」という漢字が使われるようになったのは近代以降なので、日本人は風景を、自然の「気」が目に見える形で表出されたものという意味あいでずっと使い続けてきたことがうかがえる。(KAGAMI & Co.)

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