埋める

うめる、うずめる

 埋めるは、「うめる」とも「うずめる」とも読み、どちらも穴などにものを入れて他のもので隠すといった意味の言葉だが、両者はニュアンスが多少異なる。例えば「異国に骨を埋める」の「埋める」は「うずめる」と読むが、この場合、異国に行ってそこで死ぬ、異国に行って死ぬまでそこで暮らすといった意味で使われる。この「埋める」を「うめる」と読むと、異国に行って誰かの骨を埋めるみたいであり、殺人の隠蔽工作のような受けとり方をされるおそれがある。

「うめる」は、「猫の死体を庭にうめる」「壁の穴をパテでうめる」「赤字を補助金で埋める」のような使い方をされるが、要するに空白部分を他のもので(きっちり)補塡するという意味である。庭に穴を掘って猫をそこに入れた場合、穴をきちんとうめるには、猫の手ではなく人の手を借りなければならない(当たり前ですが)。したがって「異国に骨を埋める」を「うめる」と読むと、誰か他の人の骨を他国まで行って埋めたみたいな印象となるのである。

 一方、「うずめる」は、「猫がワラの山に身をうずめて寝ている」「マフラーにあごをうずめるようにして……」などと使われるように、「うめる」より穴の隠し方が「雑」である。つまり、猫がワラの山にもぐって頭隠して尻隠さず程度でも「うずめる」と表現することができるわけで、したがって、猫も自分で自分を(生きていれば)「うずめる」ことができる。「異国に骨を埋める」も「うずめる」と読めば、自ら進んでその土地で死ぬ意味合いが強くなり、殺人事件の加害者とならずにすむのである。

(KAGAMI & Co.)

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