根付

ねつけ

 根付とは、印籠やタバコ入れのひもの先端に付けた細工物で、帯にはさんで提げる際の一種のストッパーの機能を持った装身具である。ひもの根元に付けたところから「根付」という。室町時代末期に現れたが、江戸時代に入ると装飾性が豊かになり、木彫、牙彫(げちょう、象牙など動物の牙の彫刻)、彫金、陶磁など、当時の工芸技術の粋が投入され、ええかっこしいで小金持ちの男たちのファッションアイテムとなった。明治時代以後、実用品としての機能を失うと、観賞や蒐集の対象として特に欧米人の注目を引き、現在も輸出用の製品が作られているほどである。

 欧米での根付の人気は、浮世絵の人気に似ている。それは、芸術性が高いにも関わらず「安い」ということ。つまり、庶民でも手が届くアート作品なのである。海外にも日本以上に超絶技巧を駆使した木彫や牙彫の作品があるが、それらは特権階級に囲い込まれた技術、つまり「金くれたら、いくらでもすごいもん作ってみせまっせ」という技術である。いっぽう根付は、専門工の他に仏師(彫刻家)や彫金、鋳物師など当時一流の職人が余技で作っていたようで、一点もののアート作品でありながら、ダウンサイジングすることで庶民でも頑張れば購入でき、人に自慢できるブランド的価値のある装身具であった。職人の手間賃は安かったはずだが、だからといって手を抜かないのが日本の職人。そこには「金の問題じゃねえんだ」という職人魂が感じられ、それが人々の心に響くのである。(KAGAMI & Co.)

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