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がっぽり

がっかり

 がっぽりとは、大量の財産を獲得するさま。「税金をがっぽり持っていかれた」というように、大量の財産を損失した場合にも用いられるが、これは「税務署ががっぽり持っていった」を受け身にしただけで、「がっぽり」はあくまで大金を稼ぐ側の気持ちよさを表現したものととらえてよいと思う。

 このように「がっぽり」はご当人にしてみれば笑いがとまらない状態だが、はた目から見たときはどうか。「がっぽり」の「がっ」は「がっつく」「がっちり」などの「がっ」と同じで、歯などでしっかりものを捕らえるさまを表し、「ぽ」はふところを意味する「ぽっぽ」の「ぽ」。「がっつり」つかんで、「ぽっぽ」にじゃんじゃん入れるのが「がっぽり」なのであり、「がつがつ」と意地汚く「がめつく」稼いでぽっぽにねじこむといった意味合いが強い。したがって、宝くじにあたって大金が転がり込んだ人については「がっぽり儲けた」とは言い難い。

 このように「がっぽり」は、はた目からは決してお行儀のよい儲け方とは言えない。平均的な日本人のように「真面目にコツコツ努力していれば幸せになる」と考えている人々にとっては好ましからぬありさまであるため、いくらご当人にとっては気持ちの良い金の稼ぎ方であったとしても、「がっぽり」という言葉が本人から聞かれることはあまりなく、第三者が「あの野郎、がっぽり儲けやがって」と嫉妬まじりにもらすのが普通である。(VP KAGAMI)

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