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油断大敵

ゆだんたいてき

 油断大敵とは、油断こそ大いなる敵、つまり、注意を怠るな! 油断すると失敗するぞという教訓。われわれ競争社会に生きる人々にストレスを強いる教えである。「油断」は、仏教説話で、王に「油を一滴でもこぼしたら命を断つぞ」と命じられた臣下の話からとも、仏教の行事で供養のための灯火を一晩中絶やさないようにしたことからとも言われる。

 この言葉に後を付けて「油断大敵 火がぼうぼう」と言うことがあり、この「ぼうぼう」は「亡亡」で、火が消えることであり、火が燃え上がる様子を表した「ぼうぼう」の意味ではないと説明される。油が途切れれば火が消えるのは「ごもっとも」としか言いようがないが、なくなる、消えるという意味の「亡」を重ねる「亡亡」という漢字の使い方があるのかどうか不明だし、そんなおもしろみのないことを言うためにわざわざこんな言葉が使われるというのも疑問が残る。昔の日本人が、(油断して)油が断たれたのに火がぼうぼうと燃え上がるという矛盾をおもしろがり、火が消える「亡」とも通じるところから、洒落で火の用心をうったえる警句としたのでは、と解釈してもよいような気がする(少なくともそう考えたほうがだんぜんおもしろい)。(KAGAMI & Co.)

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