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中元

ちゅうげん

 中元とは、歳暮とならぶ日本の二大贈答習慣、また、その贈答品のことを言う。中元も歳暮も、日頃の親しいつきあいの感謝を表すためにやりとりされるが、中元は、年末の「歳暮」という“薬物”の効き目が薄くなったころ、「われわれのことをお忘れなく」と打ち込まれる“カンフル剤”の役割を果たしている。同時に中元は、夏バテのひどい百貨店業界への“カンフル剤”でもある。

「中元」は本来中国で旧暦7月15日を言い、道教の祭日だったが、後に仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)──「お盆」のこと──と結びつき、祖先崇拝行事が執り行われた。つまり中元はお盆の行事を行う日を指したが、江戸時代にはこの期間贈り物のやりとりが盛んになったので、その習慣を「中元」と呼び習わすようになった。考えてみれば、仏教の行事を道教の「中元」で表すのはヘンで、本来のお盆の行事になじまないまま、江戸時代以降の使い方に落ち着いたのではないかと思われる。

​©校長のかがみ

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