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出口

でぐち

 出口とは、壁などに開けられた穴のうち、人が(犬でもいいが)外へ出るためのもの。

 ある海外のアーティストが、英語かフランス語かで「出口は内側にある」と書かれた作品を展示会に出展していたが、詩的感性の強い人はその言葉に「出口を見つけるためには心の内面を探さなければならない」というような、象徴的な意味あいを感じ取るようだ。しかし、詩的感性とは対極にある大阪人にこの作品を見せれば、「当たり前やないかい。内側にあるから出口やねん。外側にあれば入口っちゅうねん」と思いっきりツッコミを入れるであろう。出口は部屋の内側にあるものだという事実を発見し、それをアート作品に仕立てたところがこのアーティストの手柄なのであって、詩的感性の強い人がそれを見て、「出口は内側にあるに決まっとる」と大阪人のように考えずに(あるいは、そのことに気づきもしないで)、想像力をめぐらせることになるのは、作品の力というべきである。(KAGAMI & Co.)

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