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主人

しゅじん

 主人とは、家や店などの長のこと、または夫のこと。夫の意味での「主人」は、「おたくのご主人は」のように尊敬語としても、「主人はあいにく留守です」のように謙譲表現としても用いられる。妻が自分の配偶者をいう言葉としてほかに「亭主」「旦那」などがあり、いずれも本来の意味は「主人」と似ているが、使い方は「うちの亭主なんか」とか「うちの旦那ときたら」のように、ママ友同士の会話で夫の悪口を切り出すさいに用いられることが多い。その点「主人」で切り出された会話には、その後に悪口が続くことはあまりない。なぜそのような使い方になったのかは、おそらく慣例としか言いようがなく、「知らぬは亭主ばかりなり」「旦那(亭主)の好きな赤烏帽子」等々、江戸時代「亭主」や「旦那」が、夫をいじるのに盛んに用いられたことが影響しているのではないかと考えられる。一方、「主人」を「夫」の意味で使うようになったのは近代に入ってからのようで、口の悪い江戸庶民の被害を受けずに済んでいるものと思われる。(VP KAGAMI)

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