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べからず

べからず

 べからずとは、文末に付いて禁止を表す語で、推量の助動詞「べし」の未然形「べから」に打ち消しの助動詞「ず」をつけたもの。「芝生に入るべからず(芝生に入ってはいけない)」「初心忘るべからず(初心を忘れてはならない)」などと使うが、古い文語的表現なので現在ではあまり用いられず、過去「べからず」で言い表されていた標語などは、「……禁止」「……はやめましょう」といったわかりやすい語に置きかえられている。日本では「歩きスマホ禁止」「立ち小便禁止」「ポイ捨て厳禁」のように「べからず」を求める注意書きを公共の場で目にすることが多いが、このような表現にみんなあきあきしているせいか(歩きスマホしている時なんか、そんな注意書き目に入らないし)、近年では「毎度トイレをきれいに使っていただきありがとうございます」というような、「ほめて伸ばす」的な、あるいは太鼓持ちみたいな、見方によってはイヤミとも皮肉とも受け取れるような注意書きが増え、効果をあげているという(もっとも、こんな注意書きも、ぐでんぐでんに酔っ払ったヤツは目に入らない)。(VP KAGAMI)

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