すする、啜る

すする

 音をたてて汁や麵などを口に吸い入れるという意味。日本では、蕎麦やラーメンを食べるとき、大きな音をたててすすってもかまわないとされる。これは、一気に吸い上げることで汁をからめたまま口に運ぶ効果や、空気と一緒に吸い込むことで香りが鼻に抜ける効果があるなどと言われるが、それらは結局のところ後付けの理屈であろう。

 日本人が麵類を音をたててすするようになったのは、①日本では食器を手に持って食べる習慣があり、汁物は食器に口をつけて吸引していたこと。②禅寺でたくあんと麵類は音をたてて食べることが許容されていたこと(「許容」されていたということは、日本でもやはり、公式の場では、食べ物は音をたてずに食べるのがマナーだったのだろう。それに禅寺だったからたくあんや麵なんかがメニューに載ったのであって、身分の高い方や公の食膳には音をたてずに食べられないような料理がそもそも出なかったはずである)。③江戸時代に気の短い江戸っ子が蕎麦を急いで食べたこと──などから来ているようである。つまりそれは「庶民の習慣」なのであり、ハイソなテーブルマナーといったようなものには当たらない。また、それがわれわれの習慣だからと言って、汁があたりに飛び散るほどことさら大きな音をたてて勢いよくすすったり、ぶっというどんを目を白黒させながら無理して吸いこんで食べる必要はない(特に「カレーうどん」については、シャツについたカレースープのシミが取れないものだから、「すするのはやめろって、あれほど言ったじゃん!」と妻は怒っている)ように思われる。

「すする」は、汁を口に吸い入れるときの音から来ている言葉だそうだが、もしそうであるなら、「ずずる」と言ったほうが音の響きにより近い表現であるように感じられる。(KAGAMI & Co.)

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