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大根おろし、大根卸し

だいこんおろし

 大根おろし(大根卸し)とは、生の大根をおろし金ですりおろした食品。また、そのおろし金のことをいう。大根おろしはさんまの塩焼きにはなくてならない薬味であり(個人の感想です)、焼き魚の焦げによるガンのリスクを低減する効果があるとするネットの情報もあるが、そのことにまったく触れていない解説も多いので(そんな効能がホントにあるなら、みんながみんな口にするだろうし…)、話半分に聞いておいたほうがよさそうだ。

 当辞典として大根おろしについて問題にしたいのは、「おろし」というところ。大根をおろし金ですると下に落ちるので、「下ろし」でよさそうだが、魚を身と骨に切り分けることを三枚おろしというので、おなじ「おろし」なら、こちらは「下ろし」ている感じはしない。タイトルにも掲げた通り、「大根おろし」は「大根卸し」という漢字を当てることが多いようだが、この「卸し」は「下ろし」と語源は同じであるものの、問屋が小売店に商品を売り渡すことをいう。こつまり、川が上流から下流へ流れるように、下の段階(次の段階)へ渡すことが「卸し」であり、大根おろしも三枚おろしも、大根や魚を次の段階へ加工するという意味合いの「おろし」の使い方だといえる。この「卸し」は、ただ単に時間が経過して次の段階へ行くというだけでなく、川が下流から上流へ流れることはないように(津波による逆流などの例外はあるが)、不可逆的であるという点が特徴で(欠陥商品の返品などの例外はあるが)、大根おろしも三枚おろしも、一度「卸し」てしまったら、元には戻せない(そんなことをいったら、料理なんかみんな同じではないかというような、反論は認めません)ところが共通しているのである。(VP KAGAMI)

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