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ほんの

ほんの

 ほんのは、「少し」「ちょっと」など決まった語の頭に付いて、謙遜の意図を強調する語。「本の」から来ているように、その言葉だけとらえれば「本当の」という意味で、「ほんの少し」「ほんのちょっと」は「本当に少し」「本当にちょっと」であり、言い換えれば「マジ少し」「マジちょっと」。「ほんのちょっと努力したので、ほんの少しだけ上達したと思います」のように、日本人らしく遠慮がちにものを言う場合に用いる。「ガチで努力したから、マジで上達したぜ」と威勢を張るような人種には理解できない言葉であり、心情である(そんなヤツとはつきあいたくもね~や)。

「ほんの」は「ほんの少しの」という意味の省略された言葉として、お礼の品を渡すときなどに「ほんの気持ちです」と用いられる。この場合、「ほんの」が「本当の」の意味だからといって、めちゃめちゃ気持ちのこもったバカ高い品物を想定してはならず、ほんの少しの気持ちが入った「つまらないもの」と考えなければならない。

 関西弁でよく使われる「ほんに」も「本当に」という意味だが、「ほんにまあ、たいそうなお品ですこと」「ほんに大儀やわあ」のように謙遜の言葉としては使われない。「ほんの」がなぜ謙遜の状況で使われるのかはよくわからないが、「ほの暗い」「ほの白い」などと使う、「わずかに」という意味の「ほの」が影響しているのではないかと考えるのは私だけだろうか(ほんに、あんただけやで)。

(KAGAMI & Co.)

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