幕内

まくうち

 幕内というと、演劇用語のような印象があり、実際に演劇で、幕の内側で芝居を作る俳優や演出家、裏方などスタッフの総称を言うが、現在一般的に使われている「幕内」は相撲用語である。相撲の番付で最上段に大きな文字で名前を連ねている、横綱以外の三役、前頭の地位を幕内と言う。横綱も幕内の範囲に含まれるが、そのレベルを超越した存在として別格扱いされる。相撲を観戦する場合わかりやすいのは、十両(幕内の下のクラス)の取組が終わるとぞろぞろ出てきて、土俵上で輪になって化粧まわしを持ち上げたり両手をあげたりというへんな儀式をする人々が幕内力士である。その儀式が終わると、横綱が家来を二人連れて登場し、「ワシはあんなかっこわるい儀式はせん」とばかりに、幕内の儀式よりはやや様になっている儀式をくりひろげ、幕内力士との格差を見せつける。

「幕内」はその昔、将軍が相撲を擾乱する機会に、数人の優秀力士が幔幕(まんまく:囲いの幕)の内に入ることを許されたためこの名称がある。

 なお「幕の内」と「の」が入ると、演劇で幕(一場面)と幕の間の休憩時間すなわち「幕間(まくあい)」のこと、または幕間に食べる弁当のことを言う。演劇では弁当は幕間に食べて、幕の最中は芝居に集中すべきものだが、相撲ではそれなりの席を取っていれば、取組の最中に飲み食いしていてもかまわない。そして、そのような観賞のスタイルこそ、日本の伝統的な神事や芸能に受け継がれた観客の作法なのである。(KAGAMI & Co.)

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