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慈しみ、いつくしみ

いつくしみ

 慈しみとは、肉親に対するような愛情を込めて相手に接することをいう。慈愛、恵み。古くは仏教で仏の慈愛を言い表す場合などに使われたが、そんな事情からか、そのへんのかーちゃん、とーちゃんが子どもに注ぐ愛情を表現するには堅苦しくなり、近年では「慈しみ深き」と来れば「イエス・キリスト」と相場が決まっている。

「いつくしみ」の「いつくし」は「厳し」で、神々の威光が盛んで荘厳であるという意味であり、現在使用されている「慈しみ」とはあまり関係のない言葉。「いつくしみ」はもとは「うつくしみ(美しみ)」と言い、子どもなどを可愛がることをいった。「うつくし(美し)」はその後、ものの美観をいうようになったので、中世以降、神々の威光を表す「いつくし」から来る「いつくしみ」がその代わりに使われるようになった模様。「いつくしみ」がどちらかというと、神仏のような愛情をいう堅苦しい言い方という印象があるのも無理はないというものだ。そのへんのかーちゃん、とーちゃんの「いつくしみ」は「かわいがり」「甘やかし」などの俗な表現で十分である。

​(VP KAGAMI)

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