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さま、ざま

 様(さま、ざま)とは、物事のありかた、様子、しかた、形、方向に関し包括的にいう語。例えば「さまにならない」は、(その人にふさわしい)かたちにならない、つまり「かっこわるい」という意味。また「ザマを見ろ」は、「(いまのそのみじめな)ありさまを見ろ」の意味。語源は、「さまま」すなわちそのようにあるまま、「そのまま」など、見たまま、あるままという意味の語が変化したとみられる(諸説あり)。また「横様(よこざま)に刀をはらう」(横方向に刀を振る)は、「その方向」「その方面」という意味だが、この使い方が転じて、名前の後に「●●様」のように添えて敬意を表す語として用いられるようになり、現代ではこの使い方が一般的。この「方向や場所により敬意を表す」というやり方は日本語の得意技で、「あなた(あの方向)」「お方」「お前」「御上(おかみ)」「●●殿(殿は屋敷の意味)」「かしこきあたり(尊い場所の周辺)」など多数ある。日本では、身分の高い人の目を見たり(たぶんサルみたいに相手の攻撃性を感じるのだろう)、名前を言ったりする(名前には霊性があり、その昔、人の名前を聞くことは求婚の意図を示した)のは失礼にあたるので、「あのへん」とか「その方向」と場所を漠然とさししめして敬意を表す。(KAGAMI & Co.)

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