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スパゲティ、スパゲッティ

すぱげてぃ

 スパゲッティ(スパゲティ)とは、イタリア料理で使われる麺の一種。日本では昭和のはじめころ、イタリア料理の麺の呼び名としてこの言葉が用いられて以来、長らく「イタリアの麺」イコール「スパゲッティ」であった。しかし、「イタメシ」ブームでそこそこ本格的なイタリア料理が紹介されるようになった1990年代に、スパゲティは数多くあるイタリアの麺の一種類にすぎないという衝撃の事実が世間の人々にバレてしまい、以後、麺類を含むイタリアの粉もの製品はパスタと呼び習わされ、スパゲッティはパスタの代表という立場を追われ、フィデリーニ(細めのスパゲティ)、カッペリーニ(極細のスパゲティ)、リングイネ(断面が楕円形)、ペンネ(ペン先形のパスタ)など、数あるパスタの中の「ただのパスタのひとつ」とみなされるようになったばかりか、パスタ料理を指してなんでもかんでも「スパゲッティ」と言うような人物は「どんだけじいさんばあさんだよ」みたいな扱いをされ、いまでも大きな顔ができるのは、「ナポリタン」や「ミートソース」など国籍不明のパスタ料理を提供する場末の喫茶店くらいという成り下がりぶりである。

 イタリア語のspaghetti はもとは「紐」という意味。イタリアの西部劇を日本では「マカロニ・ウエスタン」と呼ぶが、アメリカでは“Spaghetti Western”と呼ばれるように、アメリカでもSpaghettiは普及した食べ物であり言葉であることがわかる。あるアメリカの辞書には「Spaghettiとは、紐状のマカロニである」などという解説もあり、パスタ、スパゲッティ、マカロニなどの定義は日本と同じように大ざっぱで、おそらくフィデリーニ、カッペリーニ、リングイネなどと区別するのは、日本と同じように、本格的なイタリア料理の店か、ちょっと気どった一部の食通にすぎないものと考えられる。

​©校長のかがみ

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