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コク

こく

 コクとは、飲食物の濃厚なうま味のことを言い、「コクがあるのにキレがある(ビールCMのキャッチコピー)」「吟醸酒の深いコクをお楽しみください」などと使うように、主に飲み物を表現するのに用いる。ただし、ある食品メーカーの商品開発の担当者によると、「コク」で表現される味は個人差が大きく、その会社の商品企画の味の評価基準には含まれないのだという。そのメーカーの判断を信じるなら、「コク」は「マイコク(Myコク)がある」「俺のコク、お前のコク」などの言い方をするのが正しいということになるだろう。

 コクの語源は、「濃い」からとも、最上を意味する「極」やはなはだしいという意味の「酷」などの漢字の読みからとも言われ、定かではない。このように語源も味の特徴もあやふやな「コク」であるから、われわれ味オンチな人間は、うま味が強くて味の濃い飲み物を飲んだら、なんでもかんでも「コクがあるねえ」と言っておけば、一目置かれないまでも、バカにされることはなさそうである。

「コク」はまた、文学や演劇などの評価で「コクのある文章」「彼の演技にはコクがある」などと、飲食物の「コク」に例えられて用いる。これもまた、味の「コク」同様あやふやな評価基準であり、「もってまわった表現で言いたいことはよくわからないが、重厚で落ち着き払っているからわけのわからない説得力はあるんだよね」というような文章や演技について、「コクがあるねえ」とほめておけば間違いはなさそうである。(KAGAMI & Co.)

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