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しと、尿

しと

 しととは、古語で尿、小便のこと。「しと」の「し」は、おしっこの「し」と同じで、小便をはじく音から来ていると考えられる。では、「と」はなにか。シーッ「と」するから「しと」か、「シー」として止めるから「しと」か……。昔こどもにおしっこをさせるとき「しーっ、とととと」と声をかけたが、「とととと」は小便の最後の「垂らし」を表現しているのかもしれず、いろいろ考えられて楽しい(楽しくないっすか?)。

『紫式部日記』には、藤原道長が孫の粗相により濡れた衣を几帳(布を掛けたついたて)の陰で、「孫におしっこをかけられてうれしーっ! 濡れた衣をあぶる、これがしたかっただよなー、マジで」とか言いながら火桶の炭火かなにかにかざして乾かしている「じじバカ」な様子が描かれている。「しと」はそれほど由緒ある言葉なのである。

​(VP KAGAMI)

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