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エプロン

えぷろん

 エプロンとは、作業(主に料理)時に服が汚れないように、胸から下または腰から下を覆う衣。日本語で言う「前掛け」。エプロンは、漫画「サザエさん」を持ち出すまでもなく(かなりの頻度でこの主人公はエプロン姿で登場する)、英語圏でも17世紀ごろにはすでに「主婦」特に「よき主婦」の業務を象徴する衣類として語られるようになっている。しかし、現在ではその象徴性は薄れ、女子が「エプロン」で思い浮かべるのは、腰から下に布を巻いたフレンチの「ギャルソン」または「もこみち」である。

 また「エプロン」は、空港の駐機場、劇場の張り出し舞台、河川の護岸、浴槽の前面部分、ゴルフ場のグリーン周囲の傾斜部分などを、その形状や前面を覆ったり隠したりする機能からそう呼び、いずれも専門用語(オタク用語)ではあるが、意外に広く使われている言葉である。

 英語apronの語源は、ラテン語で布を意味するmappaが、古フランス語を通じて英語にnapronとして取り入れられ、それに不定冠詞を付けたa napronが、いつしかan apronと勘違いされて現在に伝わるもの。このような英語の誤った伝わり方は、faulty separation(異分析)と呼ばれる。つまり「ヘンなとこで区切っちゃったけど、そのまま行っちゃいます」ということ。日本で「一所懸命」が「一生懸命」になったように、学者がいくら言葉の正確な使用をやかましく言いたてても、大衆による言葉の活用、誤用は防ぎようがないのである。(KAGAMI & Co.)

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