てんこ盛り

てんこもり

 てんこ盛りとは、ご飯などを器に山のように高くして盛ること。つまり、高さで表現した超特盛。超特盛にしたければ器を大きくすればよく、その方が食べやすくもあるのだが、「てんこ盛り」は高さに価値を見出した量の表現方法で、食べにくさなんかおかまいなしであり、粘りけのあるご飯の他、ソフトクリーム、かき氷、海鮮丼、ラーメンのトッピングなどのてんこ盛り例が見られる。パスタなどで、皿の中央にうずたかく盛り上げるプレゼンテーションがあるが、あれは量を誇っているわけではなく、単にちょっとお高いイタリア料理店が、喫茶店のナポリタンとは違うんだぞとかっこつけて演出しているだけなので、「てんこ盛り」とは言えない。

「てんこ」は、「天骨(てんこつ)」という、山頂や空の上方を意味する関西地方の方言から来ているとされる。ただ、古語辞典などを見ると「天骨」という漢字で表されるのは、生まれつきの骨格、生まれつきそなわっている才能といった意味であり、山頂や空の上という意味は見当たらない(方言なんだからしょうがねえだろ、と言われればそれまでですが)。『大言海』では、「てんこつ」は、「天骨」と別項目を立てられ、「頂上」という漢字が当てられていて、出雲地方ではこれを「てんこ」と言うと記される。つまり「てんこつ」または「てんこ」という言葉がもともとあって、「天骨」や「頂上」は当て字ではないかとも考えられるわけだ。

 幼児語で「てんてん」という「頭」を意味する言葉があり、自分で頭の上部を叩く仕草を「おつむてんてん」などということがあるが、私見では、そのような「てん」から「てんこ」という言い方が生まれたのではないかと考えるが、いかがなものだろうか。

 (KAGAMI & Co.)

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