和を以て貴しと為す

わをもってとうとしとなす

 和を以て貴しと為すとは、聖徳太子が制定に関与したと言われる『十七条の憲法』の第一条、冒頭の言葉。「和を尊重しなさい」、つまり、なあなあのススメである。原典は儒教の『礼記(らいき)』『論語』などだが、例えば『論語』では「礼之用以和為貴」すなわち「礼すなわち倫理的な規範を実践することの尊さは、人々の調和を実現することにある」とあり、「なにごとにも調和は大切であるが、礼をもってそれに節度を与えないとうまくいかない」と続く。つまり、「礼」がなければ「和」も成立しないと言っているのである。

『十七条の憲法』の第一条はそこから「以和為貴」だけを持って来て冒頭に据え、「上和下睦  諧於論事 則事理自通 何事不成(身分の上下を問わず誰でも和睦の気持ちをもってことにあたれば、おのずから道理にかない、成就しないことはない)」と締めており、「和」がなければ道理にかなった規範も生まれないと、まるっきり逆の解釈を施していて、究極の我田引水である。『十七条の憲法』は続く第二条に有名な「篤く三宝(仏・法理・僧侶)を敬え」の条文があり、「和」を尊しとする思想には仏教の影響が強いともされる。一方、儒教がとなえる「礼」の重要性はあらためて第四条に示されているように、儒教の統治テクニックもしっかりパクっていて、『憲法』全体ではいわば「仏魂儒才」の様相を呈している。(KAGAMI & Co.)

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