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大寒

だいかん

 大寒とは、二十四節気の一で、旧暦12月の中気(各月半ばの節気)で、現在では1月21日頃に当たる。寒さが最も厳しい時期。暖冬傾向の近年でも、油断していると、このころ猛烈な寒気に襲われてムダな風邪をひくことになり、昔の人々の季節感覚の正しさを思い知らされる。

 大寒は、俳句では代表的な冬の季語。この時期は太平洋側は乾燥して空気が澄み、日本海側では大雪となるが、日本海側の俳句は「雪」に着目するので、どうしても太平洋側の空気感を漂わせた句が中心となる。「大寒の埃(ほこり)の如く人死ぬる(高浜虚子)」「大寒の一戸も隠れなき故郷(飯田龍太)」は、日に当たった埃がはっきり見えたり、村の家が一戸一戸見渡せる空気の透明感が表現されている。どちらも俳句の切れ字のルールを重視するなら「大寒や」とでもしたいところかもしれないが、「大寒」と「埃」「故郷」をあまり切り離したくない作者の心理(つまり「大寒の埃」「大寒の故郷」でなくちゃね、という)がこういう句作りにつながっているのかと思う。(KAGAMI & Co.)

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