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鉄は熱いうちに打て

てつはあついうちにうて

 鉄は熱いうちに打てとは、人は純粋な心を失わない若いうちに教育、鍛練せよということわざ。英語“Strike while the iron is hot”の訳で、鉄は高温で熱して軟らかくした状態で、手早くハンマーなどで打って成形することから来ている。宗教の勧誘は、頭の固くなった年寄りにも響くことがあるが、よほど強いハンマーで叩くのか、あるいは、その人になにか不幸な出来事があって心が軟らかい状態に陥っていたとみることができる。

 西欧では、“Strike while the iron is hot”に日本のような教育的な意味合いは特になく、好機をとらえてものごとに臨めという教えとして伝えられている。日本でも、このことわざが伝えられた江戸末期から明治時代にかけては、原語通り「好機を逃すな」という教えだと説明されている。その「好機を逃すな」が、「若いうちの教育」に集約されてきたのは大正から昭和にかけてのようで、大正末期の小学校の教科書には、乃木将軍は子どもの頃、両親と江戸から大阪まで歩いて行ったので体が丈夫になったという話(将軍の両親は子どもの体を鍛えるために歩いて行ったわけではないと思うが)とともに「鉄は熱いうちに鍛えよ」ということわざが紹介されている。

 金属を成形することを漢語で「鍛煉」と書き表し、中国では古くから軍事訓練やトレーニングの意味で使用されていた。日本で使われている「鍛錬」や「鍛練」もその意味合いが引き継がれ、主に体育系のスパルタ式の訓練のことをいう。まさに「鍛煉」である「鉄は熱いうちに打て」にもその影響が見てとれ、乃木将軍の幼少時代の逸話ともなったのであろう。(VP KAGAMI)

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