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双六

すごろく

 双六とは、正月遊びのひとつで、振り出し(スタート)からサイコロの目に従って絵が描かれたマス目を順に進み、途中の艱難辛苦を乗り越え(振り出しにもどされたりとか)、最初に上がり(ゴール)に到達した人が勝ちというゲーム。つまり、「人生ゲーム」の素朴な形式である。しかし双六の原形は、西洋のバックギャモンなどと同類の起源を持つボードゲームで、ふたつのサイコロを振って、手持ちの15個の駒石(コマ)を早く敵陣に送り込んだ者が勝つというもの。これを「盤双六(ばんすごろく)」といい、盤双六から変化し江戸時代に盛んになって現代に伝わる「絵双六(えすごろく)」と区別する。盤双六はエジプト発祥といわれ(インド発とする説もあります)、シルクロードを経て中国から日本に伝わった。7世紀にはすでに貴族の間で楽しまれていたようで、正倉院の御物にも遺されている。「すごろく」という言い方は、中国語の「双六」を「すぐろく」と読んでいたことが語源だとされる。盤双六はギャンブル性が高く、しばしば禁止令も出されたほどで、あまり普及しなかったが、それに代わって盛んになったのが、サイコロを振ってコマを進めるというだけが共通している絵双六である。これなら100%運しだいなので、戦術を考えられないバカな子供でも参加でき、また結果が出るまでにある程度時間を要するので、ギャンブル派にはまだるっこしく金銭がかけられることもなく、タチの悪い子供が遊び仲間に混じっていたとしても大人は安心して酒を飲んでいられる。絵双六は、絵入りのマス目を順にたどることで物語が楽しめるところが特長で、当初は仏教の教化のために使われたが、江戸時代に旅行や芝居の演目などを題材にしたものが登場して庶民の娯楽として広まった。その後各種のもっとおもしろいゲームが現れるまで、大人が相手にしてくれないので退屈しきっている子供の正月遊びとしてあてがわれていたというわけである。(KAGAMI & Co.)

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