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カテゴリー:慣用句

人口に膾炙する

じんこうにかいしゃする

 人口に膾炙するとは、人々の話題にさかんにのぼり、もてはやされるという意味。「人口」は人の数ではなく、文字通り人の口。「膾炙(かいしゃ)」はなじみのない熟語だが、「膾」は「なます」のことで、細切りにした生肉、または生肉にタレをつけたり、酢味噌などであえた料理のこと(当辞典、「なます」の解説参照)。「炙」はあぶり肉のこと。孟子が弟子に「膾炙と羊棗(ようそう:ナツメの類)とどちらがうまいですか」と聞かれて「そりゃ、膾炙に決まってる」と答えたように、春秋時代にはいずれも人気の料理だったようだ(なぜ孟子ともあろうものが、現代のグルメ番組のようなしょうもない会話をしていたかについては、それぞれ調べておくように)。しかし、その後中国では生肉や生魚をあまり食べないようになったので、「膾炙」は細切り肉をシャー(炙)した料理だと解釈する場合もあるようだが(チンジャオロースみたいなものか? いや、あれは細切り肉などをチャー〈炒〉した料理である)、古代中国ではなますも好んで食されており、「膾」と「炙」はそれぞれ違う肉の食べ方だと考えたほうがよさそうだ。

 というわけで、いらない解説が長くなったが、「人口に膾炙する」は「膾炙」が好んで食されたように、人々の口(うわさ)にのぼり、もてはやされる意味で使われる。唐時代の詩人・林嵩がその詩集の序文で、人気のある友達の詩人を紹介するのに「膾炙人口」と初めて用いた四字熟語であるという。

 (KAGAMI & Co.)

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