カレーラーメンとは、カレー味のラーメン。実験精神の旺盛な日本の飲食店は、何にでもカレーを投入し、客に食わせてそのできばえを評価させる。カレーラーメンもそのひとつで、カレースパゲティやとんかつのカレーソースなどよりは成功しているといえるが、カレーうどんほどの広い人気を得ているとは言い難い。

　カレーラーメンの汁は、既存のスープにカレーを加えるのだからうまいに決まっているが、これをメニューに加えているラーメン店は少ない。おそらく、カレーラーメンはメインのラーメンにとって邪魔なのである。それは、うどん屋で他の人がカレーうどんを食べていると、入って来た客がみんな同じものを注文するという例からもわかるように、臭いが強烈で他のメニューへの食欲を減退させ、味わいも損なうからだろう（ではうどん屋はどうなのかという話だが、そんなこと気にしていない、つまり「他のうどんの邪魔しようが、カレーうどん食いたけりゃ食え」というスタンスなのである）。

　カレーラーメンがうまいなら、専門店がもっと増えてもいいのではとも思うし、実際成功している専門店もある。しかし、カレーをメインにした料理では、やはりベストマッチであるカレー+ライスにはかなわない。カレーラーメン店は、しょせんカレーにはしろうとであるし、ラーメン店としても「カレーに頼ってる感」はまぬかれず中途半端なのである。

（KAGAMI & Co.）