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船頭多くして船山に上る

せんどうおおくしてふねやまにのぼる

 船頭多くして船山に上るとは、組織においてリーダー的な存在(船頭)が多いと、統一がとれずに見当違いの方向に物事が進んでしまう(船山に上る)ことが多いということわざ。民主主義政治を皮肉るような格言になっているが、和を重んじてお互いの空気を読む日本の場合、「船頭多くても船なんとなく前へ進む」か、悪くても「船頭多くして船ちっとも動かず」といったところが実情ではないかと思われる。しかしそんな中でも「無責任な船頭多くして船山に上る」とか「抜け駆けの船頭多くして船山に上る」ということはありそう。類似のことわざは諸国にあるようで、中国では「大工が多すぎると歪んだ家が建つ」、イギリスでは「料理人が多すぎるとスープがだいなしになる」と言う。意外なことに日本のことわざがいちばんシュールである。(KAGAMI & Co.)

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