断腸の思い

だんちょうのおもい

 断腸の思いは、内臓が断ち切れるほどの悲しみを表す。「断腸の思いでリストラを敢行し、おかげさまで今期は業績絶好調で〜す」などと用いる。中国南北朝時代に成立した『世説新語(せせつしんご)』によると、晋(265-420)の武将・桓温(かんおん)が舟で三峡(揚子江中流)を航行中、部下が猿の子どもを捕らえたところ、母猿が百里以上も舟を追い続け、ようやく舟に飛び乗ったが悶死した。その腹をさいてみると、腸がずたずたに引き裂かれていたという。たぶん、腹を切り開いたときに腸を断ち切ってしまったのだと思うし、そもそもなんで猿の腹を切り裂こうとしたのかよくわからない。たぶん「断腸」という語の後付け説話ではないかと思われるが、日本でもその強烈な悲しみの表現が気に入られて、万葉集の時代から「断腸の哀しび」などと使われている。現代では「断腸の思い」という使用法が主だが、家族の死といった本物の悲しみには用いられず、中国のウソくさい説話にならって、冒頭の例のようなウソくさい苦しみや悲しみを表現するのに主に使われている。(KAGAMI & Co.)

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