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親分

おやぶん

 親分とは、仮に結ぶ親子関係の親をいう。一般的な使用例では、組織の長、英語で言うボス(boss)を親分と呼んでいるが、通常の企業や団体の長を「親分」とは普通言わない。というのも、企業や団体の長は、入社した社員や職員と親子関係を結ぼうなどとは言わないからで(それに近いことは言うかもしれないが)、そんなことを言ってかための坏を交わしたりしがちな組織(あえてどことは言いませんが、おわかりかと思います)の長を親分という。われわれがコワモテの政治家を「親分」呼ばわりするのは、そのようなヤバい親分像を意識してのことである。英語のgodfather(ゴッドファーザー)も、子どもの後見人としての仮親という意味なので、まさに「親分」である。

 親分の「分」は、「分をわきまえろ」などと使うときの、人が置かれた立場や身分という意味で、立場としての仮の親だから「親分」。昔は縁談や奉公のさいに仮の親子関係を結んでいたので、「親分」があちこちにいたことになる。ということは、結婚などによって生じる義理の親も「親分」と呼んでさしつかえないわけだが、可愛い娘を嫁にやった父親などは、とても相手を息子だなんて考えたくもないので、「義理」で親になってやってるんだという気分をただよわせた「義父」「義理の父」を主に使用している。(VP KAGAMI)

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