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この辞典の使い方(ホーム)「き」で始まる言葉>木で鼻をくくるの意味

カテゴリー:慣用句

木で鼻をくくる、木で鼻を括る

​きではなをくくる

 木で鼻をくくるとは、無愛想にもてなす、冷淡にあしらうという意味。「何度も申し上げていますとおりです(こないだも言ったばかりじゃん。何聞いてんだよ、ばか)」というような首相の発言を「木で鼻をくくったような答弁」という。

「くくる(括る)」はヒモなどでものを結ぶ、束ねるという意味なので、「木で鼻をくくる」はシュールなイメージとなる。まず、普通われわれが思い浮かべる「木」ではものはくくれないし、やわらかくて細い木の枝や木を加工したヒモでくくるとムリムリ解釈したとして、ピノキオでもないかぎり鼻はくくれないし、そもそも、鼻をくくるという行為には動機がない(そうだろう、ワトソンくん)。というわけで、とてもシュールなこの言葉であるが、どうやら本来は「木で鼻をこくる」というのが正しいらしい。「こくる」は、こするという意味で、鼻をこするのに木を使うという、こちらもそこそこわけのわからないイメージではあるが、ある説では、鼻がむずがゆいとき木で鼻をこすっても痛いだけであるように、相手の鼻を木でこするような返事をするのが「木で鼻をくくる」なのだという(この説明も、そこそこ意味がわからない)。同じ意味で「木で鼻をかむ」という言い方もあるようなので、「木」であることはあまり意味がないのかもしれない。まさか、マオリ族の鼻をこすりあわせるあいさつが日本で知れわたっていたとも思えないが(猫が鼻をこすりつけるのは知っていたと思うが)、相手とのコミュニケーションにおいて「鼻をこする」という行為がなんらかの意味を持っていたということはいえそうだ。(VP KAGAMI)

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