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おつくり、御作り、お造り

おつくり

 おつくり(御作り、お造り)とは、和食の品名で、刺し身、または刺し身の盛り合わせのこと。江戸時代、魚を「切る」という言い方が忌み言葉として嫌われたため「つくる」と言い換えたのがもとらしい。「刺し身」も「切る」を避けて江戸周りで広まった言い方だが、「刺す」もそこそこ物騒な言葉なので(刀で斬られたって、刺されたって痛いよ)、これを聞いた関西方面の上品な御殿女中たちが、もっと上品な「つくる」にしたそうだが、魚を切って盛り合わせ、青物を添えて飾りつけるまでを「つくる」と言い表したとも考えられる。当辞典としては後者の解釈を取りたいが、しかし、切る作業にしても飾りつける作業にしても、「作る」というのは少々言い過ぎであり、せいぜい「お並べ」程度が適当ではないかと思う。

 ところで奥様方といえば、「おつくり」には化粧、身支度という俗語的な意味もある。こちらのほうは「作ってる」感が満載ではあるが、中には「お絵かき」程度に終わっている残念なものもあり、まことに御愁傷さまである。

 (KAGAMI & Co.)

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