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退屈

たいくつ

 退屈とは、おもしろみや刺激のない状態が続くことにより、その状況を苦しく感じ、その状況から脱却したいと感じる心の状態をいう。学校の校長や国会で答弁する代議士が質の高い退屈を製造することで知られる。また、「退屈」はモダンアートに必要不可欠な要素である。アンディー・ウォーホルがニューヨークのエンパイアステートビルを8時間5分固定カメラでひたすら撮り続けた映画『エンパイア』(1964)は、モダンアートの退屈さを皮肉った作品と解釈することもできる(注:もっとちゃんとアート性を認める解説もありますので、詳しくは各自調べておくように)。映画や芸能の世界でも、退屈さをきらうコメディは、芸術(アート)の領域からは除外される傾向がある。

「退屈」は本来、仏教用語で、道を求める心が退き、屈している心の状態を意味していた。現代人が用いる「退屈」は、当初用いられていた用法からは離れたが、仏教用語としても現代の用いられ方にしても、その精神状態を端的に表明する動作に関しては共通している。それはすなわち「あくび」である。(KAGAMI & Co.)

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