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判官贔屓

ほうがんびいき、はんがんびいき

 判官贔屓(ほうがんびいき、はんがんびいき)とは、強者に挑む弱者、勝者に対する敗者を応援する(ひいきする)こと、またはそのような気持ちのあり方をいった言葉。ここでいう判官(ほうがん)は、平安時代末期の武将・源義経のこと。源義経は、宿敵平家との戦いで功を上げたが、後に兄の源頼朝から危険分子と見なされ敗死した。その後源義経は、不運なプリンスとして歴史物語の主人公となり人気を博した。こうして義経は、日本人にとって不幸な敗者代表となり、敗者への思い入れを「判官贔屓」と言うようになったのである。

 弱者を応援する人の心理は、その弱者がときに強者を打ち負かすことを期待してのものだろうが、義経の物語の場合、勝者から一転して負け続ける不幸を読者が楽しんでいる。そのため日本では、連敗記録を作った競馬馬がスター扱いされるなど、単に「強者に挑む弱者」という前向きな気持ちばかりではなく、「負け続けているが頑張っている姿がいとおしい」「一生懸命頑張る姿が美しいのであって、決して勝たなくてもいい」といった、自分のダメ息子を見守るような複雑な心理が働いていることは見逃せない。しかし、残念ながら、あなたのダメ息子が負け続けているのは、ちっとも「頑張って」いないからなんですけどね。(KAGAMI & Co.)

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