首っ引き

くびっぴき

 首っ引きは、主に「辞書と首っ引きで」という句にして、「辞書と首っ引きでレポートを仕上げた」などと用いる。つまり、辞書などを手放さず常に見ながら、という意味の言葉。「首引き」が転じたものだが、これは向き合った二人が輪にしたひもを首にかけて引っ張り合う遊び(もちろん、向き合ったまま後退して……。背中合わせに前進しようとしたら死んじゃうよ)で、言わば「首綱引き」である。いまどき流行らない遊びで……というか、そんな遊びを子どもがしていたら、あわてて親が止めに入るが、『鳥獣人物戯画(12〜13世紀頃成立)』に登場し、能楽でも、鎮西八郎為朝(ちんぜいはちろうためとも:平安末期の有名な武将の呼称)が命をかけて鬼と首引きゲームをするという演目があるくらいだからよほど古くからある遊びらしく、相撲などと同じく神事と関係があるのかもしれない。「辞書と首っ引き」の「首っ引き」は、二人が向き合ってひもでつながれている体勢が、辞書などをいつも見ている様子と似ていることから生まれた言葉に違いない。ただ、しょっちゅうスマホの画面を見ている現代人を「スマホと首っ引き」と言わないのは、たぶん、「辞書を引く」と「首っ引き」の「引き」がかけられているからではないかと推察する。(KAGAMI & Co.)

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